転職して約二年たったSEの所感と、今転職を考えている人たちへ
最初に
誰だあんた?
この記事は?
「転職してどうだった?」
後悔は0だが不満はある
かといって今すぐ転職したいとは思っていない
- 服装自由
- みなし残業制度+仕事が終わってりゃ早く帰ってオッケーの風潮*1
- 要件定義から保守まで殆ど裁量を与えられている環境*2
- 会社のドリンクサーバでコーヒー飲み放題*3
- 音楽聞きながら仕事できる
- 飲み会代は全額会社負担*4
- 平均年齢が30前後でみんな若いし技術が出来る人が多い。なので話もソリもあう人の割合が多い。*5
今転職を考えている人たちへ
今いる会社の不満と「まぁここは悪くないかな」という点を列挙する
現状を把握するために情報を集める
厚生労働省:労働統計要覧
https://www.mhlw.go.jp/toukei/youran/index-roudou.html
日本全体の分野別、年代別の給与、残業時間、昇給幅が全部載ってるサイト。
自分の給与や残業時間は業界平均でどれくらいのもんなのかを比べるのに有用。
東洋経済:就職四季報
「転職しなくとも列挙した不満が解決できるか」を考える
「転職するしかない」となったら
・まずは素直に転職エージェントに登録しよう。勝手に求人票とか持ってきてくれるので楽。
・届いた求人票を見比べる際には以下の点を今自分がいる会社と比較する。
設立年度と社員数の増加具合
・設立してから間もない会社ほど新しい何かを取り入れることに寛容である場合が多く、粗削りや不安定な部分(社内制度や就労環境等)が多いという判断をして良い。
・社員数は一言でいうと「入社した後の会社内の情報*13の集めやすさ」「フットワークの軽さ」「会社内での仕事のバリエーションの多さ」に繋がる。多ければ多いほど情報は多く、フットワークも重くなる。しかし会社内での仕事のバリエーションも多くなるので、「転職した後会社に馴染めない、または別の不満が出てきた」といった時に、「もう一度転職せずに、部署異動で解決できる可能性」が高くなる
・また、社員数を設立してから立った年数で割ると、「企業の拡大速度」の概算を測ることが出来る。この数値が高ければ高いほど、「急な成長(事業拡大)」を行っている可能性が高い。*14
総括すると、
古い企業から新しい企業に入る場合は、古い習慣や技術などは無くなる可能性があるが、制度や経営上の安定がなくなる可能性があり、
新しい企業から古い企業に入る場合は、制度や経営上の安定は得られる可能性はあるが、古い習慣や技術に付き合う必要性が出てくる可能性がある。
人が少ない企業から多い企業に入る場合は、フットワークの重さや社内の情報の多さに翻弄される可能性があり、
人が多い企業から少ない企業に入る場合は、万一転職後「こんなはずじゃなかった」となったら、転職以外の解決策がなくなる可能性がある。
という認識でいると良いと思う。
出資元、取引先
どういった分野の人間と仕事として関わることになるのか、という指標になる。
雑な判断方法になるが、頭の良さそうな奴らを相手にする仕事は自分たちがミスった時に弱みを握られやすいが無駄な説明を省ける可能性があり、
頭の悪いやつらを相手にする仕事は、バカの介護をする手間が発生する可能性があるが、ちょっとしたミスをしたときにごまかせる可能性がある。
出資元か取引先に銀行がある企業には入るな。万一入ったら銀行とは絶対に関わるな*15。
(SE限定)作るシステムの形態と、触る人数
形態というのは、俗にいうB to B*16 (to C*17 )やB to C*18といった、「誰が使うシステムなのか」のくくりのことである。Cが絡むと不特定多数の一般ユーザーが触ることを想定した作りをしなければならなくなり、セキュリティや負荷分散等、構築の難易度が上がる傾向がある*19。これは、「そういった難しいことは考えたくない」という人にはデメリットになり、「そういったことがやりてえんだよ」という人にはメリットになる。自分はどちらの人間なのかはしっかりと持っておこう。
あとがき
「あんたやけにめんどくさいことやってない?」
・そのとおりだと思う。僕が列挙したやり方なんかやらなくても転職できる人はできる。しかしそういう人は転職しようと悩んでこんな記事を見に来ないで、己の力を信じてやっている人ばかりだとも思ってる。*20
転職サイトや新聞の調査は「意図的な偏り」がある前提で見る
「転職(就活)は時の運もある」という説
最後に
*1:加えて去年今年の僕個人の平均残業時間は5時間以下、これは人事ガチャ運に恵まれた結果でもある。
*2:プレッシャーがある上に給与が見合っていないのは欠点だが、少なくとも自分のレベルはぐんぐん上がっている気がするし退屈はしない
*3:あまり美味しくないが、コーヒージャンキーとしては最高にうれしい
*4:一人頭5000円くらいの飲み会でも会社から金が出る。ウマイ。
*6:
*7:残業時間が増える期間が続いたり、人事ガチャでハズレを引き続けたら転職するかもしれない
*8:「労働している時点で悪いに決まってんだろ喧嘩売ってんのか??」という人、気持ちはわかるけど労働者階級に生まれた時点で労働からは逃げられないので我慢してください。宝くじ買おうね。
*9:この相手を、自分とは違う分野で仕事をしている人間に変えると、別業種との差が判明する場合があり、別業種への転職を考えている人はそれを積極的に狙うと良い。
*10:どうすれば解決できるのか
*11:直属の上司がクソである(会社そのものは嫌いではない)など
*12:なにより、企業内の公募は、転職と比較すると、就労環境等の情報が圧倒的に集めやすく、事前に当たりはずれを察知しやすいというメリットがある。使えるのならば使うに越したことはない。
*13:特に厄介なのが人間関係や上下関係
*14:同じ社員数1000人でも、10年前に設立したのと50年前に設立したのとでは、拡大の速度が段違いである。急な拡大は粗削りな制度を生んでしまう原因となり得るので、頭に入れておいて損は無い。
*15:銀行業界は「失敗するとありとあらゆるメディアに晒される」という側面がめちゃくちゃ強いらしく、そのせいか失敗をとにかく嫌いとにかく許さない風潮が強い。とっても疲れる。
*16:例:社内会計パッケージ開発
*19:前職、現職での経験に基づいた判断
*20: もともと「働かないでお金が欲しい」「楽して儲けたい」という心理だが、「特に秀でた技術やセンスもなく、労働を避けて暮らしていけるだけの資産もなく、労働でお金を稼ぐ以外に生きていく術はないので仕方なく働く」といった程度の心理であり、休日好き好んで勉強とかをすることはあまりない身である。そんな身なのでバリバリの技術企業に行ってやっていけるだけのパワーはないと考えている。
*21:たとえばボーナス云々は「経団連に所属している従業員数1000人以上の企業のみ」を対象としていたりする。給与の上昇率は中小企業から大手企業に転職した人だけを取っていたりする。そりゃ高くなるわ。
第二新卒で転職した話といくつかの所感
最初に
この記事は[TCU CTRL場外乱闘 Advent Calender 2017](https://adventar.org/calendars/2322)の記事です。
なぜ転職したの?
元居た会社は、大企業に分類される規模を持つ、SIerだった。
転職を決意した理由は、大きく分けて、「人間関係」「制度や風習、給与」「仕事の無茶ぶり」の3つに分かれる。
「人間関係」
初めて配属されたチームが、[業務外の仕事を押し付けたり、若手を吊るし上げて笑いを取ることが大好きな老害]、[
「制度や風習、給与」
身体を壊しながらもどうにか通院や人事の人との相談、交渉を続け、時短勤務制度等を活用して業務を続け
それだけならまだ我慢はできたが、同チームで馬車馬のごとく働いていた同期もほぼ昇給しておらず、「体を壊したら給与は上がらない」「どれだけ働いても、若いうちは昇給幅はとても小さい」という事実を知る*3。
「仕事の無茶ぶり」
2年目の時点で上流工程と新人の育成を断る余地なく任命されたり、体調を壊してから復帰した直後のようやく身体が治りかかっていたところで「君3年
これらを通じて
尊敬できる人はほとんどおらず、断る余地もなく仕事を捻じ込まれて歯車のように使われる、仕事を早く終わらせる若手は損をして、仕事をダラダラやってる年長者が得をするという状態で、経営も危なくなってきて給与も上がるかわからない。
さらに、若手がどんどん辞めていっているという事実を知り、積もりに積もっていた不満や不安が爆発。「こんなところにいて仕事なんかできるか」と思い、転職を決意。
どうやって転職したの?
転職サイトに登録し、アドバイザー*5の人に自分が興味がある技術や社風を教え、それにマッチした求人を回してもらうようにしてもらい、転職活動をはじめた。
最初のうちは仕事を続けながらやっていたが、体が治りきっていないのにも関わらず、遠くない未来に新規案件に配属されるという情報を上司から受け、転職先が決まる前に仕事を辞めることを決意。
その後、転職活動を始めて2か月目、退職してから1週間後に転職先が決まる。
転職してどうなった?
早速炎上プロジェクトに投入された。
が、前職であった不満の多くが解消された*6こともあって、総合的に見て後悔は全く無く、以前より遥かに健康的に楽しく働けている*7。
また、一度転職を経験したおかげで、「もしまたやばくなったら、転職すりゃいいや!」と開き直ることができるようになり、以前より仕事の先行きに関して悩む回数が少なくなった。この考えができるようになったおかげで、だいぶ毎日が楽になった。
所感、個人的な考え
転職してから数か月だが、今のところ後悔は全くしておらず、以前より楽しい人生を送れている。
以下に、3年弱働いて感じたことを、「これから働く人たち」と「転職を考えている人たち」向けに書く。
これから働く人たちへ
クソ上司は権力で殴ろう
もし、入社した後のチーム配属ガチャでクソ上司を引いてしまい、その上司とやっていけなくなりそうな場合、そのクソ上司よりも更に立場が上の人に相談し、配属を変えるなりクソ上司に釘を刺してもらうなりしてもらいましょう。
権力者を黙らせるにはさらに上の権力で捻じ伏せるのが最も効果的です。ガチャのリセマラ*8が難しいなら、最強権力ランキングの上位のキャラ*9を持っているフレンド*10を探して、フレンド申請*11して助けてもらいましょう。
給与が上がるかはチェックしよう
残念ながら、「どれだけ努力しても、1,2年目は給与の上り幅は一定(あるいは0)」という企業は少なからず存在します。
加えて、それを公表せずに隠している企業も存在するので、大学のOBや信用できる先輩社員がいる場合は、昇給額に関して聞いてみると良いでしょう(聞き方やタイミングを間違えると信用を損なう可能性もあるので、それだけは注意。)
やっても報われる可能性が絶対にない努力はただの徒労です。そんな努力をする時間があるなら、輪ゴムで遊んだり顔のニキビの数を数えていたほうがまだましです。
転職を考えている人たちへ
まず休む
現在体調を壊している人は、何よりもまず休んで回復することを優先しましょう。体調が悪いと判断力も鈍ってしまっていいことはありません。健康な心身があれば金は稼げますが、金で健康な心身は絶対に買えません。
食事、睡眠、余暇、友人との会話、時には薬などなど、ありとあらゆる手を尽くして健康を取り戻すことを第一に考えましょう。
「転職しないで解決するか」を考える
転職を考える際は、「今抱えている仕事の不満」を書き出して、「それが部署の異動等、会社を辞めずに解決するか」を考えましょう。
リスクとコストに関しては部署移動<<<転職です。転職せずとも悩みや不満が解決できる手段があるなら、まずはそれを試してみましょう。転職を考えるのは、それからでも遅くありません。
求人票に嘘はないが隠ぺいはある
転職するとなった際に、求人票をみるかと思いますが、求人票に嘘が書かれていることはほぼありませんが、意図が隠されている場合はあります。
「月40時間以上の残業をしている案件は全体の10%!」と求人票に書いてあるものの、「今欲しい人材はその10%にぶち込める人材である」というのはあったりします*12。鵜呑みにしないようにしましょう。
最後に
取引先か出資元が銀行になっている企業のSEにはなるな
*1:ちなみに半年ほど炎上もしていた
*3:おまけに残業代は基本給の高さから決まるので、「40代を過ぎたおっさん連中が、ダラダラと仕事をして残業代を稼いでいる」というのが散見されており、基本給が高い無能が一番おいしい思いができる組織であることが発覚
*4:今度は神経性胃炎
*5:専属でついてくれる相談役
*6:温厚で技術力の高い人がそれなりに多い職場であること、老害がいないこと、転職で入ってきた人がそれなりに多く、同じような悩みを過去にしたことがある人がそれなりにいる等
*7:炎上プロジェクトからもうすぐ抜けられるのも楽しく働けている要因の一つでもある
*8:自分からその上司に、配属を変えてもらう等の交渉をすること
*9:クソ上司よりも立場が上そうな上司
*10:同期
*11:相談する機会を得るにはどうすればいいかを聞くこと
*12:体験談